マレーシアでは途上国と先進国の時間差を細胞レベルで感じられる

マレーシアでは途上国と先進国の時間差を細胞レベルで感じられる

歴史の流れって国ごとに変わらない。同じ過程を経て今の環境があるんだということをマジマジと感じます。

 

マレーシアと日本の芸能文化差が大きい

時代の流れによる途上国と先進国の違いが分かる例の一つがマレーシアでの芸能人やアイドル、アーティストといった芸能文化の規模が小さいということです。

国ごとの芸能文化の規模なんて、日本に住んでいたときは考えたこともなかったので、かなり新鮮でした。

そもそも芸能界に関しては、あまり関心が無いのでそれも仕方がなかったのかもしれませんが、海外に来ると興味が出てきたことは自分の中で変わったことの一つです。

 

じゃあ、どうしてマレーシアでの芸能文化はあまり発展していないのでしょうか。

 

芸能文化が発達していない理由

宗教による価値観、文化の違い

活発でない原因として、一つは宗教が関係していると思います。

マレーシアには、マレー系、中国系、インド系の3つの種族が共生していて、それぞれに宗教が異なります。

マレーシアの国教はイスラム教ですが、主にマレー系がイスラム教、中国系が仏教かキリスト教、そしてインド系がヒンドゥー教です。

 

こんな風に宗教が入り混じっていたら、それぞれ異なる教えや服装がありますし、価値観も異なるため、芸能系でできることが限られてしまい、発展が難しいです。

 

例えば、服装やメイク

イスラム教の女性は、髪の毛を見せないようにヒジャブという布を使って頭を覆い隠していたり、肌を見せないように長袖長ズボンを着ていたりする一方で、

中国系やインド系の人たちは日本人と同じように髪は出したままです。

また、インド系の人たちはヒンドゥー教なので、おでこにビンディーという赤いインクをつけていて、服装も西洋の洋服などではなく伝統的なものが多いです。

中国系の人たちは、他の2つの種族とは逆に、洋服を来ていて、格好は日本人にとても近いです。

 

こうした違いがあると、それを統一して芸能界を発展させるのは難しいのがわかります。

 

逆にいえば、それぞれの人種に合わせたエンタメは発展していけるということにもなります。

実際に、各人種ごとの言葉、

今回の例でいえば、それぞれマレー語、中国語、タミル語のTV番組があるくらいです。

ちなみに英語の番組もありますので、計4つの言葉で番組が作られています。

 

これは日本では全く考えられないことですよね。

4ヶ国語ものチャンネルがあったら、もうわけが分からないです。

 

芸能文化が発展する余裕がない

他の理由として、発展途上国では芸能文化が広まる余裕が無いんじゃないかと思います。

それはどうしてかというと、

発展途上国では、建物や食べ物、公共ルールといったベースとなる様々な環境がまだ整っていないため、芸能文化の発展の前にそれらをしっかり整える必要があるためです。

 

交通渋滞は一つの課題の例で、ラッシュアワーには、高速道路の改札にパット見で100台くらいの行列ができてしまうくらいヒドイです。

交通渋滞が起こると、芸能人の車での移動が大変になり、スケジュールを何度も大幅に変更しないといけなくなって大変ですよね。

今はまだ、そういった基盤を整えてスムーズな流れを作ることが一番優先すべきことだと思います。

 

日本のエンタメはやっぱりすごい

日本では毎年のように、新たな俳優や女優、アイドル、アーティストが溢れかえるほど芸能界の入れ替わりが著しいですが、それは先進国ならではの文化なんです。

芸能界だけでなくても、文化でいえば、マンガやアニメ、ゲームといったエンタメは日本を筆頭に生まれています。

マレーシア人にも日本のエンタメが大好きな人がたくさんおり、日本のことはアニメで知ったという人を何人も見てきました。

 

数年後にはマレーシアでももっと芸能文化が発展してくるかもしれません。

その時は日本からエンタメのノウハウの輸出をすることで、もっと親睦を深められるんじゃないかなと思っています。

それまでに、マレーシアに実際に来て、そのような今まで気づかなかったことを発見してみてください。