イエメンは銃がファッション!?恋愛禁止!?衝撃の生活

マレーシアで生活

【補足】こちらは2018年に大学の友達にインタビューしたときの記事です。

APUの工学部でも高い割合を占めるイエメン人。今回はその中の1人、Naji(ナジ)に話を聞いてきました。

「イエメンには、砂漠があって、暑い…?」

イエメンに関するぼくの印象はこんなものでした。実際に話を聞くまでは…。

そこには日本とは、まるで違う世界が広がっていて、何度も「えぇ!?」と声を上げて驚いてしまいました。

↓こんな内容です!

1. イエメンでは銃が「ファッション」
2. 20人弱の大家族の兄弟観は1つ
3. 結婚前にみんなが通る道「婚約」
4. 恋愛するなら「刑務所行き」が当然の社会
5. イエメンの教育に幼稚園は「いらない」
6. 2つの宗教教育と「男女共学」という幻想
7. 覚えられないほど!とてつもなく長い名前の真相
8. ぼくには、「イエメンの血」が流れてる
9. 日本には「底知れない力強さ」を感じる
10. おわりに

イエメンでは銃が「ファッション」

ゆうむ:ナジはイエメン出身でイエメンのどの辺出身なの?

ナジ:南側のイエメンにあるシャブワという地域の出身だよ。イエメンにある20の州のうちの1つ。

ゆうむ:そうなんだ。シャブワで有名なものは何?

ナジ:1つは、たくさんの石油が取れること。もう1つは、が有名。

ゆうむ:銃!?

ナジ:誰でも銃を持ってるよ。シャブワはイエメンの中でも1番銃が有名で、ぼくも3つの銃を持ってるよ。

ゆうむ:3つも…!

ナジ:3つだと多く聞こえるかもしれないけど、他の人だと13~15丁も銃を持ってる人もいる。ぼくの部族だと14、15歳から銃の所持をしてるよ。

ゆうむ:全くの別世界の話しすぎて話についていけない(笑)。銃の教育は学校で行われてるの?

ナジ:いやいや、学校教育では無くて、家族とか友達に教えてもらう。だから銃の先生はいらないんだ。ぼくは家族や兄弟から教えてもらったよ。

ゆうむ:もう、そういう文化として馴染んでるんだね。でもみんな銃を持ってても、いつ使うの?自分たちを守るため?

ナジ:そうじゃないよ。みんなファッションの1つとして持ってる。

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ゆうむ:ファッション!?

ナジ:そうそう。お祭りのときに一緒に持ち歩いてたりとかして。「この銃すごいでしょ?」みたいな。

あとは、実際に銃を撃つこともある。

ゆうむ:銃を撃つ!?何を撃つの?動物とか…?

ナジ:鳥とかの小さい動物は狩猟目的に撃つことがあるよ。砂漠が多くて、森林は無いから、よく小さい山に行って狩猟してる。

他にも、友達や家族と狙い撃ちのゲームをすることもある。どこか遠くにものを置いて、その的めがけて撃つゲームだね。

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ゆうむ:そうなんだ(現代の日本で自分の子どもが狙い撃ちをしてたら、その親は発狂するだろうな…)。

ナジ:イエメンでは、いろんな種類の銃が販売されてるんだけど、その中でも持つんだったら、やっぱり高価な銃の方が好きだよ。

ゆうむ:大体どれくらいの値段で買えるの?

ナジ:良いのだったらRM2,000(約6万円)くらいで1番高価なやつだとRM30,000(約90万円)くらいかな。

ゆうむ:車が買える値段(笑)。

ナジ:他にも政府の警察の銃を持ってる人もいる。彼らは紛争の最中に相手の銃や車を盗ってくる。今は、イスラム教内での2つの宗派であるスンナ派とシーア派間の紛争があるから。

ゆうむ:まるでスパイ映画みたいに衝撃的だね…。平和な日本にいると全然信じられない。

紛争のときにはどうやって過ごしてるの?危険じゃない?

ナジ:最近は、ぼくの住んでるところは紛争の影響が無いから、普通に生活してても危険じゃないよ。

20人弱の大家族の兄弟観は1つ

ゆうむ:そういえば、ナジの家族は何人なの?

ナジ:8人の男兄弟と5人の女兄弟がいる大家族だよ。全部で13人。というのも、ぼくのお父さんには2人の奥さんがいるから。

ゆうむ:そうか、イエメンでは一夫多妻でもいいんだね。

自分のお母さんじゃない、もう1人のお母さんとその兄弟について、どんな風に思ってるの?

ナジ:家族だよ。

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ゆうむ:なるほど。みんな同じ1つの家族って感覚なの?

ナジ:そうだね。たくさん兄弟がいた方が嬉しいじゃん。今、ぼくたちの家族は、1つの大きな家に住んでる。

ちょうど最近は、年上の兄弟3人がサウジアラビアにそれぞれの家族と一緒に住んでいて、その以外の兄弟とは一緒に住んでるんだ。

あと、大家族だと、みんなでお互いに助け合えるっていうメリットもある。

ゆうむ:確かに、子育てから家事まで、両親が全部できなくても兄弟が助けてくれそうだね。

ナジ:ぼくの場合だと、大学に行くのを兄弟が金銭的に助けてくれてる。1番上の兄弟は30歳くらいだと思うけど、兄弟が多すぎてあんまり覚えてない(笑)。

兄弟の内、3人はもう働いてて結婚してる。

ゆうむ:それは、みんな婚約してから結婚したの?

ナジ:そうだね。

結婚前にみんなが通る道「婚約」

ゆうむ:そういえば、ナジはもう結婚してるんだよね。婚約してから結婚したと聞いたけど、普通、何歳で婚約するの?ナジはどうだった?

ナジ:年齢は人それぞれだよ。

ぼくの場合は、今24歳で、2017年の23歳の時に結婚した。

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意味深な笑顔を返してくるじゃん…

2014年に婚約して、2017年に結婚したから、婚約してから2年以上経っての結婚だね。

ゆうむ:すごく若いね。日本やマレーシアでは大体30歳くらいで結婚する人が多い。

どうやって婚約するの?家族からの紹介で?

ナジ:もしぼくが誰か女性を好きだったり、女性がぼくのことを好きだということを聞いたら、婚約する前にお母さんかお姉ちゃんに彼女に会えるか聞いてみるんだ。

そうして実際に会ってみて、彼女の話を聞くよ。そしてお互いにOKだったら、家族と話し合って婚約する。

ゆうむ:じゃあナジの両親がナジを紹介したの?それとも、お母さんだけとかお父さんだけとか?

ナジ:両親が紹介してくれた。

ゆうむ:他の家族に尋ねて、ナジのお嫁さんを探したってこと?ナジの写真を他の家族に見せたりして。

ナジ:そうそう。そうして、女性について、年齢から、どういう家庭で、どういう教育を受けてとかを知って気になったら、家族みんなで女性に会いに行って婚約について話をしたんだ。

恋愛するなら「刑務所行き」が当然の社会

ゆうむ:へえ、婚約が慣習にあるのって今の日本では想像できないなあ。日本人も昔は婚約する人が多かったけど、今はほとんど聞かなくなって、恋愛結婚が多いよ。

ナジ:ぼくらの国では、イスラム教で彼氏や彼女を持つことは禁止されてるんだ。特にイエメンではかなり厳しい。だから恋愛結婚は無い。

ゆうむ:そうなの!?じゃあ、もし恋人を持ったらどうなるの?

ナジ:それは禁じられてるから、彼氏、彼女を持とうとしても、そもそも恋人同士にはならない。もし誰かを好きだったら、家族に会って婚約を持ちかけるよ。

ゆうむ:…(いきなり家族に好きな人のことを打ち明けることもスゴいけど、その家族にドッと押しかけて来られる女性側の心境ってどうなんだろう…?)。

だから全く恋人という関係が無い状態から婚約して結婚するんだね。結婚は強制されるものなの?

ナジ:いいや、そんなことは全然無いよ。その人次第で、結婚しなくてもいい。

ゆうむ:もし、婚約していないカップルがいたとしたら、どうなるの?

ナジ:もし結婚前に女性と一緒に手を繋いで歩いていたりしたら、警察が来て男性の方に刑務所行きの罰則が下される。

ゆうむ:警察!?

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ショックのあまり動けない…

ナジ:そう。最近はそんなことはあんまり多くないけどね。

ゆうむ:ものすごく厳しいんだ…

でも、誰も彼氏彼女が欲しいなんてことは考えないの?

ナジ:いや、もちろん考えることはあるけど、やっぱり宗教の教えを守らないといけないからね。

イエメンの教育に幼稚園は「いらない」

ゆうむ:イエメンの教育についてはどう?

ナジ:マレーシアや日本とは簡単には比べられないけど、イエメンの教育レベルは高くないと思う。それがマレーシアの大学に来た理由の1つでもあるし。

中学から高校までほとんど英語を勉強しなくて、1週間に1回しか授業がなかった。資格の取得率も低い。

中学のときから英語を勉強し始めるけど、だから高校を卒業した後も、英単語を少し知っていても英文は全然作れなかった。

学校では数学とか勉強するときは当然、アラビア語を使って英語は使わないからね。

ゆうむ:イエメンに幼稚園はあるの?

ナジ:幼稚園は無いよ。家族が子どもたちの面倒を見るから必要ない。学校教育は小学校が7歳から始まって、小学校は6年間、中学校と高校は3年間ずつ。

ゆうむ:なるほど。イエメンでは家族が大きいから子供の面倒をみれるんだよね。幼稚園が無いってことはみんな大家族ってことか。高校まで全部で12年間なのは、日本と同じだね。

2つの宗教教育と「男女共学」という幻想

ゆうむ:イエメンの学校では、どんな勉強をするの?

ナジ:数学、理科、社会、英語、アラビア語、イスラム教を勉強する。

学校での宗教の教育には2種類あって、1つはコーランで、もう1つは預言者ムハンマドからの人生の価値について学ぶ

ゆうむ:宗教教育が2つあるんだ。面白いなあ。それ以外は日本と同じだね。まあ、今同じ大学で勉強してるしね(笑)。

ちなみにマレーシアでは、小学校でマレー語も英語は必須で、中国語も勉強したかったら選択できるって聞いたよ。

学校では何か行事はあるの?

ナジ:学校にはお祭りは無いけど、サッカーとかスポーツの競技会はある。高校では学校対抗として実施されるよ。でも長距離走やマラソンとかは無い。

ゆうむ:ムスリムだけど、女子は競技大会とかに出られるの?

ナジ:うーん、分からない。女子は高校が分かれてるから。

ゆうむ:え、高校が分かれてる?

ナジ:そう。女子と男子は同じ高校では勉強しないんだよ。イエメンには男女共学の高校は無い。中学校までは男女共学なんだけど、高校からは男子校と女子校に分かれる。

ゆうむ:そんな風に日本と違った”しきたり”があるのも面白いなあ。

覚えられないほど!とてつもなく長い名前の真相

ゆうむ:ライフスタイルはどんな感じ?

ナジ:ぼくの場合だと、朝5時に起きて、お祈りをしてから、家族と朝ごはんを食べてって感じかな。

ゆうむ:お祈りがあるから朝早いんだよね。結婚した後でも自分の家族と住んでるの?

ナジ:そうだね。奥さんも一緒にぼくの家族と一緒に住んでるよ。

ゆうむ:奥さんは、結婚した後に名前を変えるの?

ナジ:いいや、奥さんの名前は変わらないよ。子どもには、ぼくの名前が受け継がれるけどね。

ゆうむ:そういえばナジの名前はすごく長いよね。他のイエメン人も同じように長い。

ナジ:そうだね。ぼくの名前にはお父さんと父方の親族の名前が受け継がれていて、「自分→父→祖父→曽祖父→…」という風になってるよ。

ゆうむ:そうなんだ!ここに書いてもらってもいい?

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ナジ:ぼくの名前は、「Naji Saleh Naji Saleh Abdullah Hussien Saleh Ali AL-Fargi AL-masaabi」

「AL-Fargi」が名字で「AL-masaabi」が部族名のこと。それより前の部分は全部ぼくの名前。

ゆうむ:長い…(笑)

ナジ:フルネームは数えきれないほど長いから全部は覚えられないよ。長すぎてパスポートにも載せきれない。実際、パスポートに載ってる名前は、ここに書いたうちの名前3つと名字、部族名まで。

ゆうむ:そうやって、何十年、何百年もの世代に渡って名前が受け継がれてるんだ。
あれ、おじいさんの名前も「Naji」だけど、どうして同じ名前が引き継がれてるの?

ナジ:それには、ぼくのお父さんから、その父であるお爺ちゃんへの尊敬の意味が込められているんだ。

ゆうむ:現代の日本人は、ほとんど自分の名前と名字だけだから、新鮮だなあ。

ナジ:へえ、日本だと違うんだね。

ぼくには、「イエメンの血」が流れてる
ゆうむ:イエメン人はイエメンが好き?

ナジ:もちろん。ぼくにはイエメンの血が流れてる。

ゆうむ:すごい迫力を感じるよ。

ナジ:他の人も同じだと思う。最近はまだ紛争があるけど、イエメンそのものはぼくの中にある。両親や兄弟もイエメンに住んでることもあるからね。

他の国、例えばイギリスやアメリカに行ったとしても、やっぱりぼくはイエメン人だと強く思うよ。

それに、学校では校歌は無くて、国家を歌う。これもイエメン人がイエメンを好きな理由の1つだね。

ゆうむ:なるほど。日本は便利だし、世界の中でも発展してる国なのに、自分の国が好きな人は少ないんだよ。それについてどう思う?

ナジ:そうだなあ。イエメンではまだ戦争による争いをしてて危険と隣り合わせの大変な生活だけど、それでも自分の国のことが好きだよ。日本は平和で住みやすい国なのに変な話だね。

日本には「底知れない力強さ」を感じる

ゆうむ:ナジの日本に対するイメージはどう?

ナジ:すごくいいイメージ。ぼくは日本が大好きだよ。

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パッ…!

自動車会社のホンダやトヨタ、山や森林とかの自然も豊かだし、教育水準も高くて、先進国でもある。

政治もしっかりしていて、誰も他の国は攻撃できないような底知れない力強さを感じるよ。

ゆうむ:底知れない力強さかあ。

ナジ:ぼくは特にサッカーが好きで、サッカーの試合をテレビでよく見るんだけど、日本人選手が好き。長友選手は世界でも有名だよね。

この前は、日本とサウジアラビアが試合をして、5-0で日本が圧勝してたからすごく興奮した。その時はイエメンで家族と一緒にテレビを見てたんだけど、楽しかったなあ。

ゆうむ:何か日本のネガティブなイメージはある?

ナジ:全然無いよ。日本はアジアでも1番の国っていうイメージが強い。

そういえば、ゆうむはぼくの最初の日本人の友達だよ。他の日本人には会ったことがない。

ゆうむ:ありがとう。どこか日本で行きたいところとか何かやりたいことはある?

ナジ:東京に行ってみたい。あとは広島。原子爆弾を受けた地域が今どんな風に発展しているのか見てみたいなあ。

おわりに

ぼく個人の意見としては恋愛の自由がある日本って恵まれてるな、と思うと同時に、

最近、恋愛も結婚も少なくなってる日本は、恋愛に関しては、まるでイエメンでのイスラム教の教えのようにストイックな生活をしているんだな、となんとも複雑な心境になりました。

今こそイエメンのように日本の婚約結婚を増やすときかも…?

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