マレーシア封鎖(MCO)の現状のルールや感染防止対策を分かる範囲で紹介

マレーシア封鎖(MCO)の現状のルールや感染防止対策を分かる範囲で紹介

マレーシアの封鎖、通称MCO(Movement Control Order)から3週間が経とうとしています。ここまで長い間、活動制限されていると、最初は窮屈に感じていた外出自粛生活にも慣れてきて、むしろ日常化してきました。

人の生活上の非日常が日常に移り変わっていくのには、3週間程度あれば済むんだなあと思いつつ、これまでマレーシアMCOでどんな風に生活が変化していったのか、わかる範囲でまとめてみます。

MCO(活動制限令)のルール

MCOが発令された当初は「外出自粛」レベルでマレーシア国内の動きが制限されていましたが、発令から2、3日後も決まりを守る人が60%程度しかいなかったことを受けて、道路での調査が一層綿密に行われたり、軍が動き出したりしてさらに厳しくなりました。

逮捕者が次々に発生していて、うかつには外出できない状態です。いや、さすがに捕まったら冗談にならないので、買い物以外の外出は全くできてません。

また、4月に突入してからは、次の通り、よりMCOのルールが細かく定められています。

1 活動制限令(MCO,マレー語略語:PKP)に基づき,正当な理由のない外出を引き続き控えてください。活動制限令においては,特別な場合(具体的には,公務,必要不可欠なサービス(※官報内で列挙された22サービス)の営業,ドライブスルーや持ち帰り及びデリバリーによる食料の供給,食料や日用品の購入,医療を受ける又は保健省医務技監により許可された特別な場合)を除き,州内での移動(外出)が禁止されています。 

2 活動制限令の第二段階(4月1日~)の措置は,「強化された活動制限令(EMCO,マレー語略語:PKPD)とは異なります。なお,特にEMCOが適用される地域又は建物には,一切出入りできません。

 3 レストラン等からの持ち帰りサービス(配達時間も含む),スーパーマーケット・小店舗,ガソリンスタンドなどの営業時間が午前8時から午後8時までに規制されます。

 4 公共交通機関の運行時間は,午前6時から午前10時,午後5時から午後10時までです。3月25日に導入された規制が維持されます。

 5 自家用車,タクシー及びe-hailingサービスは,午前6時から午後10時まで運行が認められています。なお,右運行可能時間については大まかな措置内容とのことで,具体的な適用については,追って発表されるとのことです。e-hailingサービス業者の中には,既に営業時間を右時間として発表しているところもあります。

 6 自家用車の運転については,緊急時を除いて,1車両1名(運転手)のみ乗車が認められています。

 7 行われる場所が公共の場か私有地であるかにかかわらず,外出を伴う社会活動(接触を伴う人との交流)及びレクリエーション活動(体操や運動等)は,禁止されています。門と塀で囲まれた敷地内も,右規制は同様に適用されます。

 8 国外からマレーシアに帰国・入国した者は,保健省によりスクリーニングが実施され,14日間の隔離が確実に行われます。対象者は,空港からマレーシア政府が用意したバスで直接,検査センターへ送られます。4月3日から適用とのことです。

 9 奨励事項

(1)オンラインショッピング

(2)配達の際は,玄関に置いてもらうなど直接の接触をできるだけ避けること

 【参考】活動制限令下の主な規制事項(基本事項。(1)~(5)は3月18日から,(6)は3月25日から有効)

(1) 外国人渡航者の入国禁止。

(2)マレーシア人の出国を禁止(但し,外国人の出国は可能)。海外から帰国後,健康検査及び14日間の隔離が必要。

(3)公立及び私立学校を閉鎖。大規模集会は禁止。礼拝施設及び商業施設は,原則閉鎖(日常必需品を販売する店舗は除く)。

(4)民間企業は,水,電気,エネルギー,通信,郵便,輸送,灌漑,放送,金融,保健,薬局,清掃,物販,食料供給を除き閉鎖。

(5)特別な場合(具体的には,公務,必要不可欠なサービスの営業,ドライブスルーや持ち帰り及びデリバリーによる食料の供給,食料や日用品の購入,医療を受ける又は保健省医務技監により許可された特別な場合)を除き,移動(外出)を禁止。

(6)3月25日から全ての公共交通機関の運行時間は午前6時から午前10時,午後5時から午後10時に限定。

在マレーシア日本国大使館ホームページ:https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_31032020B.html

大きく目立って変更された点は、レストランやスーパー、コンビニ、デリバリーサービスの時間制限がされたことです。

これまで24時間だったコンビニが夜8時までしか開いていなかったり、デリバリーサービスが8時までしか使えなかったりするので、買い物するときに時間を意識するようになりました。また、デリバリーサービスをしているレストランの稼働時間も変わっていて、朝10、11時からしか使えないところが多く見受けられました。

特に面白いなと思ったのが、マレーシア政府によってマスクの値段が一枚RM1.5などと定められたことです。日本でもそうでしたが、品薄で高騰していたマスクの値段によって国民にマスクが行き渡らないことを懸念して定められたんじゃないかと思います。

政府が物の値段を決定するのを見たのは初めてだったので、そんな風に政府が動くこともあるんだなと思いつつ、日本でもマスクの値段が高騰している場合は導入する価値があるんじゃないかと思います。いよいよ日本でも緊急事態宣言がなされるとのことなので、具体的にどのような措置がされるのか興味深いです。

生活範囲で気づいた感染防止の取り組み

現在のマレーシアのMCOで定められていることを紹介しましたが、じゃあ実際に生活していてどんな風に身の回りに変化が起こったのかも気になるところじゃないでしょうか?

そこでぼくの生活範囲内で気が付いた感染防止に取り組みを紹介します。

エレベーターのボタンにラップがかぶせられています。一日に2回取り換えられているらしいです。正直なところ、本当に取り換えられているのか怪しかったのです。

でも、何度も押されている「閉めるボタン」などはラップが破けてしまいやすいのですが、次の日には直っているのでちゃんと取り換えられていました。

もう押すのさえはばかられて、コンドミニアムのカードでボタンを押している人も見かけました。笑

近くのセブンイレブンは、一回に入れる人数が3人に制限されています。さらにマスクを着けている人のみ入店を許可されていて徹底されているな、という印象です。これはマスクを買わないとなと思ったキッカケの一つです。

マレーシアでは普段マスクを着ける人はほとんど見かけないのですが、今回ばかりは出歩いている人一人も例外なくマスクを着けていてかなりレアな光景が見られます。

スーパーでは、入店時に体温チェックと手の消毒が義務付けられているところが多いです。同時に入店人数の制限がされていて、このお店には、10人もの人たちが列を作って入店待ちしていました。ほんとに徹底されてます。

レストランなどは一応開いてますが、お持ち帰りのみOKで、お店で食べることはできません。お店の人もお客さんも感染が気になるのか、少しソワソワしながら一定の距離を取ってやり取りをしているのをよく見ます。

こっちはパンの品切れに関する制限。

こっちは卵が全然ない光景です。これを最初見た時は唖然としました。卵料理が食べられない…!と。これまでパンが品切れになることも卵が品切れになることもなかったので、こういう場面に遭遇すると現実味がわきませんね。笑

ちなみに、パンも卵もしっかり出荷はされているので、そのタイミングと合わせて買いものに行けば買うことができます。

今、世界中でCovid-19対策とされているソーシャルディスタンシングの印です。マレーシアのイオンでは他の人と1mの距離をとって買い物をするようになっています。買い物カートが結構大きいので、カートを持っていたら、自然と距離を取りながら買い物できていて便利(?)です。

日本でもおなじみSubwayではテーブルに黄色と黒のテープが巻かれていました。いや、テーブルの上に椅子をのっけておけばいいんじゃない?と思いましたが、これはこれで面白味があって好きです。

マレーシアのMCOは4/14に終わるのか

これまでのマレーシアの新型コロナウイルス対策を見ていると、一定数の守らない人たちはいながらも、そのような人たちは逮捕していたり、スーパーの入店時に体温チェックや手の消毒などを実施している点から、結構しっかりと感染防止がされているように思います。

一方で、コロナウイルスの一日の新規感染者数は継続的に150人程度発生しているため、まだまだ気を抜けない状況です。

新型コロナウイルスの潜伏期間は約2週間ということと、封鎖から3週間程度経った今でも感染者数が減少していないことを踏まえると、4/14にMCOが終了する可能性は低く、まだまだ延期されるんじゃないかと思います。

世界中でも感染者数が減少していないのもありますし…。ともあれ、これ以上感染者を増やさないためにも、続く限り外出自粛生活を続けて、一刻も早く世界で新型コロナウイルスが収束することを願ってます。