コロナ後に自然エネルギー開発が活発化する社会が来るか
- 2020.04.10
- えんが話
コロナ騒動で人の移動と接触が極端に無くなったことは身の回りの生活の一変ぶりを見ていると肌感覚で分かります。スーパーの入店人数には制限がかかり、レストランはデリバリーのみとなり、ジョギングで外出するだけでも逮捕されてしまう社会。
まるで映画のようで現実味の湧かないディストピアが来るとは2020年が始まってオリンピックに気分が上がっていた時期には想像もできませんでした。
大気汚染は無くせるものという証明
コロナで人の移動が十分にできなくなったことで、ぼくが一つ注目したいことが大気汚染です。
中国やインド、アメリカではコロナで工場や発電所、自動車の稼働が減少したことで大幅に大気の状況が改善されました。今朝のニュースでは、インド北部からヒマラヤ山脈が見られるようになったという報道がありました。
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この大気汚染の影響で人体には様々な悪い影響が現れている人が世界中にいますし、二酸化炭素排出による地球温暖化も進行しています。今回のコロナによる外出自粛がなされたことで経済は停滞しましたが、工場などがストップしたことで大気汚染は改善されることがハッキリと証明されました。
この事実から、ぼくらが化石燃料などを使わずに代替エネルギーを生活のインフラ構築に活用することで地球の空気はクリーンになることが分かりますし、それに気づいた人々が少しでも自然エネルギー等の発展・活用を促進する活動を始めるのではないかと思います。
代替エネルギー開発が進まない3つの理由
ぼくが小中学校で勉強していたころから教科書には化石燃料などの枯渇予測が書かれていました。「このままではやがてエネルギーは枯渇してしまう」と。
しかし、それから十数年経った今でもエネルギーを生み出しているのは「燃料を燃やす」ことで変化がありません。未だに代替エネルギーの導入が活発化できていません。その原因には、主に3点の問題点があると思っています。
代替技術が確立されていない
1つ目は、十分にエネルギーを生み出せる代替技術が確立されていないことです。自然エネルギーといえば、太陽光、波力、風力、地熱、バイオマス発電などがありますが、どれも発電効率が悪くて実生活に活用するにはまだまだ難しいです。効率が高くない場合、導入コストばかりがかかり、利益を生むことができません。
少し前までは太陽光発電の導入が活発にされていましたが、今ではほとんど見なくなったのも太陽光発電装置の設置によるメリットが少ないためです。もし家庭で使用する電気を太陽光発電で全てまかなうことができたら、発電所で発電された電気を電線を使って家にまで運ぶ必要はなくなりますよね。しかし、そうでない現実があるからこそ、代替エネルギーを使おうという動きがあまりありません。
以前、2011年にテレビがアナログからデジタル放送に切り替わったときのように、国が主導となって一斉にエネルギー転換をする動きがあれば現状を変えることができますが、大きな経済効果が見込めないために動けていなのでしょう。
経済効果が大きいエネルギー利用が優先される
2つ目は、化石や石油燃料によって大きな経済効果が生み出されていることです。国によっては石油などが地下に多く眠っていて、それを堀り出すことで経済発展しているところがあります。国の発展の中心になっているのが、石油産業ならば当然人は掘り出すことを止めません。宝の山が目の前にあるのにそれを手に入れない人はいないですよね。それと同じ理屈で、現代の資本主義社会が続く限り、人は掘り続けます。
ぼくの大学では、石油工学という専攻があり、どうやって石油を掘り出すのかを勉強している学生がたくさんいます。石油で経済を回している人たちは、当然石油が世界中で活用されて欲しいため、代替エネルギーの研究に着手することは無いでしょう。
さらに、利権により代替エネルギーの開発がされていてもそれを邪魔する動きも少なからずある可能性も否定できません。これは残念なことですが、お金は人をコントロールしてしまうほどの力があるため、仕方がないことです。
代わりとなる方法は何か考えられていない
3つ目は、現在使用しているエネルギーの代わりになる方法を考える習慣やキッカケがないことです。ぼくたちは、暑いときにエアコンをつけますよね。学校でも会社でも暑ければエアコンをつける生活をしています。しかし、それに慣れすぎてしまっているが故に「エアコンをつける」以外の解決策を探そうとはしません。
暑さをしのぐには、冷たいタオルで自分の首を冷やすとか、スプリンクラーを街中に設置して水を撒くことで気温を下げるという方法もあります。しかし、エアコンをつけるという方法が一番楽なため、考えることを止めてしまっているのです。
もし、電気を使わずに手軽に暑さをしのげるのであれば、みんなそちらの方法を使うようになるでしょう。しかし、そのためには今頼り切っている技術から何に移り変わるのか、考える習慣やキッカケが必要です。
未来のエネルギー開発へシフトするべき理由
コロナ騒動が収まってきたとき、再び工場や自動車が動き出して大気汚染が発生することは今のままでは避けられないと思います。何かしらの革新的な技術が開発、実用化されればそちらにエネルギーの中心が移動するでしょうが、今の段階では難しいと言わざるを得ないです。
しかし、今後工場が稼働し続ければ大気汚染や地球温暖化は深刻化するばかりですし、無くなると予想される化石燃料などのエネルギーに頼りきっているとやがて発電ができず車も動かない社会になり、一気に技術が後退します。
ですので、今のうちに効率の良い自然エネルギー技術の開発やパーマカルチャー、オフグリッドという考え方の元に進められる新しいライフスタイルを発展させる時期に来ているんじゃないかと思っています。
ぼくも大学でメカトロニクス工学を専攻していて、機械や電気、プログラミングを扱っている中、AIや機械学習に加えてエネルギー開発にも興味がありますので、大学4年の卒業制作には何か効率よくエネルギーを生みだすことのできるものなどを制作できないか考えてみます。
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