焦りや嫉妬の対処法「自分が持ってるもの」を再確認する

焦りや嫉妬の対処法「自分が持ってるもの」を再確認する

自分の持っていないものを持っている人を見たり、聞いたりすることがある。それが自分の関心のないことだとしたら、ただ「ふーん」で終わるんだろう。でももし、それが自分が求めているものだとしたら、そうはいかない。

ありふれたものへの偏り

勉強、お金、恋人、時間、仕事、そんなありふれたものの中に自分の欲しい状態がある。いや、ありふれたものの中にしかないと思う。だって大金持ちが島を買ったからと言っても、それは今の自分にとっては非現実的過ぎて到底欲しいものリストの中には入らない。ぼくらが悩みを抱えるのは、いつもありふれたものの中にある。

自分の身近で自分が欲しいものに満たされている人がいるとしたら、そしてそれをまだ自分が手に入れていないんだとしたら、羨ましいと思うのは当然の流れなんだろう。きれいな形で言うなら、憧れを抱く人もいるかもしれないけど、ぼくの場合は焦りや嫉妬のようなネガティブな感情という形で出てきてしまう。

嫉妬ならまだいいのかもしれない。だって、嫉妬ならそれを燃料にしてもっと自分の活動量が増えるから。でも焦りはこれまでの経験上よくない。それは、自分の頭の中でそのことが延々にループして、胸の中に気持ちの悪い渦が生まれてしまうから。こういうのって健康にもよくないよね。頭ではしっかりと分かってる。よし、考えるのを止めようって自分に伝える。でもぼくの胸の疼きはそう簡単には取れない。論理じゃ感情のコントロールはできない。

「持ってるもの」で記憶を上書きする

こんなときは、記憶の上書き、とまではいかないけど、また違うもので頭を満たすようにするといい。どんなもので満たすのかというと、その胸の疼きの反対側にあるもの。今のぼくで言えば「持っていないもの」に対して焦りや嫉妬が生まれているのだから、その反対の「持っているもの」を考えてみること。

周りの人たちは、まるで別世界にいるかのように恵まれて見える。勉強がすこぶるできたり、たくさんの人に囲まれていて笑いが絶えなかったり、仕事がうまくいっていたり、お金に困ることなく充実して過ごしていたり。分からない、分からないよ。どうやったらいいのか分からない。まるでプールの中で泳ぎ方を忘れてしまったかのように苦しいってこともある。

もしかしたら、そこに自分の欲しいものがあるのかすらも分からなくなっているのかもしれない。はっきりと先の見えない霧の中を、懐中電灯で必死に照らして進もうとしているような気分。それでも懐中電灯の光は霧の先を照らすことなく、目の前で散乱してしまう。進みたいのに進めない。そのもどかしさが、一層ぼくの焦りを大きくする。

でも、焦っても仕方がないっていうのも事実で。ただその場で足踏みしてるだけになっちゃうんだよね。だから、まずは一回、大きく深呼吸をする。自分の中の心のモヤモヤを一緒に吐き出すように。

見つめ返し

それから、自分が持ってるものを一つ一つ見つめ返していくんだ。勉強はどうだろう。ぼくはそこに完璧を求めていただろうか。点数が出る環境にいると高得点を目指しがちになるから忘れてしまうけど、ぼくは勉強は自分が必要と思う部分でしっかりとできればいいと思ってる。なら、今のままでも別にいいじゃないか。

周りの人間関係はどうだろう。ぼくは笑顔の中心にいたいのだろうか。確かに笑顔で毎日が過ごせたらいいなとは思うけど、それが大学のクラスメイトみんなととかなんて望んでない。そりゃあ、いろんな人と笑って過ごせたらいいんだと思うけど、それよりも自分が一緒にいて楽しいと思える人と過ごせてたらそれで満足。逆にたくさんの人といたら、自分が疲れるし、そこに濃い時間は残らない。

薄っぺらい時間をだれかと過ごすんだとしたら、一人でもいいから思いっきり自分たちをさらけ出せる人と濃密な時間を過ごした方が得られるものは果てしない。それに、地元に帰ったら自分の気が合う人たちがいてくれる。前の会社にいた時も留学するって言ったら応援してくれる人たちばかりだった。そんな暖かい人たちに囲まれていたんだって思い出すと、涙があふれてくる。

お金はどうだろう。やっぱり、ぼくにとっての人生で大きな困難はこのことで、生きてる中、ずーっと囚われてしまってる。買い物するときも商品の値札を真っ先に見てしまっていたり。でもありがたいことに、ぼくの周りにいる暖かい人たちがいつも手を差し伸べてくれる。

ぼくはもう一度ちゃんと胸に刻み込んでおかなきゃいけない。目を向けるべきは羨ましい人たちじゃなく、いつも手をつかんで立ち上がらせてくれる人たちだってことを。ぼくは、みんなに何ができているだろう。まだ何もできていない。助けてもらってばかりで情けない。「ごめんね。もうちょっと待っててね。」今できることは、その言葉を伝えることと、前を向いて進んでいくことだけだ。ただ、忘れちゃいけない。その人たちの支えがあって、今のぼくがある。

仕事だってそうだ。みんなの支えがあって、ここまで来た。まだまだプログラミング言語を勉強してスキルを身につけたいとか、仕事の幅を広げて収益を上げたいとか、やりたいことはたくさんある。それができてない自分がなんともむずがゆくて、悔しくて。でも、これまでを考えたらフリーランス的に仕事をするのなんて頭に無かったし、大学生をしながら仕事をして授業料を払うなんて意味が分からない。でもそれができてる自分がここにいる。不安で眠れないこともあったし、何度も声を上げて泣いた。いつか報われることがあるんだろうと信じて。

一歩一歩を着実に

ほんとはもっと遊びたい。世界中を旅行していろんな生活を見てみたい。大学でプロジェクトを立ち上げたり、参加したりしてもっとメカトロニクスの経験を積みたい。中国語を勉強してみたい。人工知能や機械学習にも触ってみたい。楽器の演奏もしてみたい。いろんなお酒を勉強しながら嗜んでみたい。

やりたいことは山のようにある。1回の人生で足りるだろうか。足りるようにしたい。

一つ、前の会社にいた上司の人の言葉で印象に残ってるものがある。

「一歩一歩」

どんなときも着実な一歩を踏み出して進んでいけばいいっていうこと。焦りはしてもいい。でも焦っても仕方ない。だから一歩一歩進んでいこう。

まだ見ぬ未来を不安に思っても仕方ない。過去を悔やんでも仕方ない。今、現在を全力で生きていく。